種類によって精度が変わる?!アルコールチェッカーの仕組みとは?
平成23年5月、運送事業者が運転者に対して実施する点呼で、アルコール検知器を使用して運転者の酒気帯びの有無を確認することなどが義務化されました。飲酒運転の撲滅は、運転者個人のモラルに任せるだけでなく、事業者も一丸となって取り組むべき問題なのです。アルコールチェッカーを選ぶポイントを紹介しますので、参考にしてください。
アルコールチェッカーの仕組み
アルコールチェッカーとは、機器に息を吹きかけて呼気中のアルコール濃度を数値化してくれる、呼気式アルコール検知器を指します。
飲酒後、血中に入ったアルコールは肺を通って呼気として排出されるのです。呼気1L当たりに含まれるアルコール重量と、血中1L当たりのアルコール重量の1/2100が、ほぼ同じ数値とされています。現行ではこの計算式にしたがって、アルコール濃度を換算しているようです。
アルコールチェッカーは、据え置き型と携行型の2タイプがあります。据え置き型は業務用と呼ばれ、運送業者が事業所に設置することが主流です。しかし、遠距離運転の多い業種では、遠隔地の運転手の検査ができないため不向きといえるでしょう。携行型は運転手が出先で使用したり、健康のために日々数値を把握したりする方にも選ばれています。長距離バスやトラックの運転手に、個別に支給するのにも適しているといえるでしょう。
またアルコールチェッカーは計測方法により、半導体ガスセンサー方式と燃料電池センサー方式にわけられます。それぞれの仕組みの特徴を見ていきましょう。
半導体ガスセンサー
半導体ガスセンサーは、半導体の表面に吸着している酸素にアルコールが反応することで、センサー抵抗値が低下する特性を利用して計測を行っています。安価で試しやすく測定時間が早いのが特徴ですが、性能面での劣化が早いため、定期的な買い替えが必要です。また、誤作動が起きやすいというデメリットもあります。
燃料電池センサー
燃料電池センサーは、検知極でアルコールが酸化されて生成される水素イオンを利用してアルコールを計測しています。環境やほかの成分に影響を受けにくく、正確な測定ができる点がメリットだといえるでしょう。しかし、高価なうえ定期的なメンテナンスが必要な点がデメリットといえます。
市販用と業務用の違い
市販と業務用のアルコールチェッカーでは、どのような違いがあるのでしょうか?安価な市販用で代用はできないのか、違いを確認していきましょう。
耐久性
市販用は使用回数や使用年数に定めを設けているものがほとんどです。使い捨てや消耗品ととらえるとよいでしょう。劣化が早く、上限回数を超えると正確に測定できなくなることがあるので、注意が必要です。
業務用では定期メンテナンスが定められており、その際にアルコールセンサーを交換します。精度を維持して継続的に利用できるようにしているのです。メーカーによって交換の期間は違いますが、半年から1年程度が多いといわれています。
性能
何度測定しても同じ数値が出ることを繰り返し性、再現性といい、長期的に安定した測定ができるよう各メーカーも研究を重ねています。日本の第三者機関による性能評価試験を受け、その結果をきちんと公開しているかどうかも、指標となるでしょう。どの製品を選べばよいか迷うときには、こちらもチェックしてみると安心です。
記録機能の搭載
測定値が即座にプリントされるものや、パソコンやスマートフォンに数値が入力される連動型もあります。点呼記録簿では1年間の保管義務があるので、記録機能のないものでは自分で帳簿などに記載しなければなりません。また、記入漏れや記載間違いなどのミスが起こりうることも、頭に入れておきましょう。データとして残るものなら、万が一、監査などが入ったときにも安心です。
アルコールチェッカーの測定時に影響を与えるもの
アルコールチェッカーの精度によっては、飲酒していないのに反応が出てしまうこともあります。身近なものだと、みそ汁、パン、饅頭、栄養ドリンクなどの飲食物や、薬、歯磨き粉やうがい薬、口腔洗浄剤、たばこなどです。なるべく食事や喫煙前に測定するか、測定前に水でしっかりうがいをするなど、何らかの対策をしましょう。もし間違った判定が出た場合は、5分程度の時間をおいて再測定してください。
また、置き場所によっても影響が出てしまいます。エアコンの前、気温が著しく高いまたは低い場所、消臭剤・芳香剤を使用している場所なども避けたほうがよいです。衛生面を気にして、アルコール除菌シートなどで清掃することも誤判定の原因になります。取扱説明書をよく読んで、使用方法はきちんと確認しておきましょう。
アルコールチェッカーの仕組みや、市販用と業務用の違いを紹介しました。業務用では精度に加え、アフターサービスの内容も確認するべきポイントです。またメンテナンスや記録紙の購入などのランニングコストがかかるため、初期費用だけでなく、細かい点まで比較して検討することをおすすめします。飲酒運転を防いで安全に業務を遂行できるよう、用途に合ったアルコールチェッカーを導入しましょう。
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