2022年4月に、アルコール検査の記録と保管が義務化されました。2022年10月には、安全運転管理者選任事業所を対象としたアルコールチェッカーを使用したアルコール検査が義務化されます。確認の記録を1年間保存することや義務化される内容を鑑みて、クラウド管理を導入することをおすすめします。

白ナンバーのアルコールチェックも義務化

アルコールチェックの義務化に向けた準備が整っていない事業所は、早急に準備するようにしましょう。

2つの義務化が課される

2022年4月から、アルコール検査の記録と保管が義務化されました。2022年10月※１から、アルコールチェッカーを使用したアルコール検査が義務化されます。これは、安全運転管理者選任事業所として規定されている企業などが対象で、乗用車5台以上、定員11名以上の車両を1台以上保有していることが条件です。

※１：アルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化は警察庁より施行時期の延期検討のパブリックコメントの募集があり、現在取り纏め期間となります。（9月1日現在）

義務化される内容

まず、運転前後に運転者に対し目視、およびアルコール検知器を使用して酒気帯びの有無の確認、目視およびアルコール検知器による確認の記録をデジタルまたは日誌などで1年間保存、正常に機能するアルコール検知器の常備です。安全運転管理者選任事業所で車を運転する社員の数は少なくないでしょう。日々のデータを1年間保存するのに、日誌などでは場所をとってしまいます。デジタル保存がおすすめです。

アルコールチェックとは

呼気中のアルコールを正しく検知するのが、アルコールチェックです。アルコールの有無と濃度を示します。アルコールチェックは、紙媒体で記録と保管を行っても問題ありません。しかし、白ナンバーのアルコールチェックの義務化により、記録項目が増えたことが日常の業務を圧迫してしまう可能性があります。

必須の記録項目は8つあります。確認者名、検知者名、自動車の自動車登録番号、検知日時、検知方法、酒気帯びの有無、指示事項、その他です。管理者の負担を減らすために、クラウド管理はおすすめです。

アルコールチェッカーの種類

データでの管理を軸にすると次のように分けることができます。

・簡易型
アルコール検知測定と検知結果の数値を表示するのみの機種です。データ管理ができないので紙媒体やエクセルへの入力が必要となります。

・端末データ保存型
測定した結果や日時をアルコール検知器本体に保存可能です。電子データに出力できない機種で、保存された結果を転記する必要があります。

・専用ソフト型
専用ソフトをＰＣなどにインストールすることでアルコール検知器に保存された測定結果等を専用ソフト上にＵＳＢケーブル等を使用して出力可能になります。またＣＳＶファイル等での出力可能なものも多いです。

・クラウド管理型
スマートフォンやＰＣ等にインストールしたアプリケーションと通信型アルコール検知器等を使用して、測定結果をクラウド上に自動アップロードします。各拠点の一元管理や、自動的に保存されることが特徴です。

アルコールチェックの結果をクラウド管理するメリット

5つのメリットを紹介します。

検知結果を自動で連携

自動化されるメリットは、時間の短縮と労力の削減です。管理の手間と管理にかかる労力を自動化することで、ほかのことに時間を充てられます。業務時間は無限にあるわけではないので、忙しい人こそ自動化がおすすめです。また、不正防止の効果もあります。

長期間データを保存できる

記録を保存する義務があるので、長期間データを保存できるクラウド管理はメリットがあります。紙で記録を保管する場合は、保管場所の問題が生じますが、クラウド管理の場合はそのような問題は発生しません。

検知結果をまとめてダウンロード可能

万が一、監査を受けることになっても、クラウド管理であればExcelなどで、すぐにダウンロードできます。

検知結果を一元管理

クラウド管理システムで、アルコールチェックを行った日時、位置、検知の写真をリアルタイムで共有できます。管理者がすぐに確認できるので、手間を省けます。

不正防止に効果あり

データの不正ができないのが、クラウド管理のメリットです。後でまとめて検知結果を記入したり、改ざんしたものを記録したりすることができなくなります。これにより、組織の健全性が保たれます。

アルコールチェックの結果をクラウド管理するデメリット

2つのデメリットを紹介します。

システム導入費用がかかる

クラウド管理型のアルコールチェッカーの場合は、初期費用と月額費用がかかります。簡易型アルコールチェッカーの場合は、初期費用だけで済むのでコスト面ではデメリットになります。

専用アプリのダウンロードが必要

専用アプリに対応したスマートフォンやタブレットの準備が必要です。機種が専用アプリに対応していない場合などでは、機種変更などの対応をしなくてはいけません。

まとめ

クラウド管理は、システム導入費用と専用アプリのダウンロードの2点がデメリットとして挙げられますが、導入しようか迷っているときはクラウド管理を導入することをおすすめします。日々の業務が圧迫されることで、管理者が本来取り組まなくてはいけない業務に十分な時間が割けなくなるからです。また、社員も自動化されることで、煩わしさを感じにくくなります。双方にとってメリットが大きいので検討してみてください。