アルコールチェッカーの機器価格・導入維持費用の相場は?
アルコールチェッカーは、息を吹きかけることでアルコール濃度を測定する機器のことです。警察の飲酒運転を調べる用途で広く使われていたものですが、現在では運輸業を中心に始業前の点検として導入している企業も多くなっています。アルコールチェッカーといってもさまざまな種類があり、また価格や維持費も変わってくるものですから、導入を考えている場合にはそれぞれの目的に合わせたものを選ぶ必要があります。
アルコールチェッカーの仕組みは?
以前は警察の飲酒運転の検査程度にしか使われてこなかったアルコールチェッカーですが、飲酒運転に対する取り締まりが厳しくなって以降は運輸業に関わる業種で、始業前の点検項目として導入されるようになっています。このため、多くのメーカーがアルコールチェッカーを販売しているものです。
一方でアルコールチェッカーにもいくつかの種類があります。 アルコールを検出する仕組みとしては、電気化学式センサー(燃料電池式センサー)と、半導体式センサーが使われているもので、前者の電気化学式センサーではプラチナ選択触媒電極と呼ばれる電気化学センサーを用いてアルコールを酸化させ、これによって電極電流を発生させるものです。アルコール量が多いほど電流量が多くなります。この仕組みのメリットは、アルコール以外の成分に反応しにくいため比較的正確に検知することができますが、高価です。
半導体センサー方式では、スズ酸化膜(半導体センサー)が、酸素量に応じて抵抗値が変化することで検出します。これは、アルコールが吸着されると相対的に酸素量が少なくなることを応用したもので、価格が安いメリットがありますが、やや精度に劣るものです。このため、経年変化が大きいために使い捨てとなることもあります。
アルコールチェッカーを導入するさいには、それぞれの方式の特徴と使用目的が合致したものを選ぶことが大切です。
アルコールチェッカーを選ぶポイントは?
アルコールチェッカーを導入する前にその使用目的を整理することが大切です。使用目的としては、営業所などに設置する据置型のほか、携帯型や簡易携行型などがあります。据置型は始業前に行うのに適しており、パソコンと接続することで結果を記録したり、プリンターと接続して結果を印刷することが可能なものもあり、飲酒運転を防止することが可能です。また据置型は機器の大きさに余裕があるものですから高性能な製品が多く、確実にチェックしたい場合には向いています。
一方で携帯型や簡易携行型は、持ち歩きをすることができるもので、営業所などでの使用はもちろんドライバーが持ち歩くことができるもので、出先で検査することができるものです。特に長距離ドライバーの場合には泊りがけでの運転となることもあり、宿泊のさいにお酒を飲むこともあると思いますが、その際にも営業所と同様に運転前のチェックが出来ます。携帯型といっても高性能な機種もあり、スマートフォンと接続できるものもありますから、会社に報告するといったことも可能です。
また簡易携行型は精度が劣るもので使い捨てとなるものが多いですが、アルコール濃度をすぐに調べることができるものですから、飲酒運転をしないためにもお酒好きの人がプライベートでも使えるものといえます。検査では、息から測定されるもので吹きかけ式やストロー式、マウスピース式などがあり、不特定多数の人が使うのか、個人が使うのかで選ぶことになるものです。
アルコールチェッカーの導入費用と維持費用
アルコールチェッカーは高性能なものから簡易的なものまでさまざまで、価格も変わってきますが安価なものは性能面ではやや劣ります。具体的には、半導体センサーでは精度が低いものの製造コストも低く使い捨てに近いですが、メンテナンスにもお金がかかりません。このため価格は数千円程度から2万円以内で手に入れることができるものです。
一方で電気化学センサーを使ったものは価格は3万円以上しますし、プリンターとセットにしたものでは10万円以上というものも珍しくはありません。ただ精度としては高いものですし、メンテナンスや校正を適切に行っていれば長期間にわたって使うことができます。
使い捨てタイプはコストがわかりやすいものですが、据置型の場合には機器によって性能が大きく変わってきます。使用可能期間は6ヶ月から1年程度が中心で、また回数も5000回程度から5万回程度とばらつきもあるものです。このため、導入するさいには、その精度や使用可能期間を考慮して選ぶ必要があります。
また殆どのメーカーは機器の性質上アフターサービスを行っているものですから、そのアフターサービスの内容や費用も選ぶ上では欠かせません。それらを考慮して使用目的に合ったものの選ぶことが、飲酒運転を防止することができますし、安全意識を高めることができます。
アルコールチェッカーを導入することで飲酒運転を予防することが可能ですが、一方でその機器にはさまざまな種類があり精度についても変わってきます。アルコールチェッカーを導入する場合には使用目的と機器の性能を考えて選ぶことが大切です。
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