アルコールチェックも遠隔で行える!IT点呼を導入するためには?
運行管理者が運転者に対して行う「点呼」は、これまでは原則として対面で行われてきましたが、最近では遠隔で行う「IT点呼」が導入されるようになり、アルコールチェックも遠隔で行うことが可能になっています。そこで今回の記事では、IT点呼とはどのようなものなのか、導入する方法やメリットやデメリットもあわせて解説します。
IT点呼とはどのようなもの?
運送事業やバスやタクシー事業では、運行管理者がドライバーに対し常務開始前と常務終了後に点呼を行います。点呼の内容は、安全に運行できる状態か確認したり乗務後に報告したりするなどですが、この中の確認事項として酒気帯びの有無があり、アルコールチェックも行われます。
このような点呼は、原則として対面で行われてきましたが、最近ではIT機器の画面を通じ遠隔で行うことも可能になりました。ただし、IT点呼を行うには一定の条件があり、それをクリアできなければ点呼は対面で行わなければなりません。
IT点呼を行うための条件とは?
IT点呼を行うために必要な条件は、次のようなものがあります。
・国土交通省が定めた機器を使用すること
・Gマークを取得していること
・IT点呼記録簿を保存
・IT点呼の申請
IT点呼記録簿は、IT点呼実施営業所と被実施営業所の双方で保存する必要があります。また、IT点呼の申請はIT点呼を実施する10日前までに、管轄の運輸支局等に申請する必要があります。
IT点呼を導入するメリット・デメリット
IT点呼を導入することで得られるメリットはいろいろとありますが、注意しなければならないデメリットもあるので、しっかりと把握しておきましょう。
IT点呼を導入するメリットとは?
IT点呼を導入するメリットには、以下のようなものがあります。
・人件費の削減
運送事業やバスやタクシー事業は時間が不規則な業務であることから、対面点呼を行う担当者もその時間に合わせて必要になり、補助者が必要になることもあります。補助者の補充や残業代など、対面点呼ではこれらの人件費がかかりますが、IT点呼なら営業所ごとに人材を配置しなくてもよいので、人件費を削減することが可能になります。
・運行管理者の負担を軽減
対面で点呼する必要がないので、事業所に運行管理者が不在でもOK、管理者の負担が減るだけでなく仕事の効率化も期待できます。
・車両運行の効率化
IT点呼により、車両運行がスムーズになることも期待でき、待機時間や待機車両を減らすなどコスト削減にもつながります。
・事故を未然に防ぐ
アルコールチェックのデータを記録・管理することが容易になり、ドライバーのアルコール濃度はもちろん健康状態もしっかりと把握でき、事故を未然に防ぐことが可能です。
IT点呼を導入するデメリットとは?
IT点呼を導入するデメリットには、以下のようなものがあります。
・導入費用が高額になる
IT点呼に用いる機器は、国土交通省が定めた機器のみ、それ以外の機器を使用した点呼は無効です。そのような専用の機器をすべて導入するためには、購入費用もかかってしまいます。
・Gマークの取得が必要になる
IT点呼を導入するにはGマークの取得が必要になりますが、これはドライバーが所属している営業所と、点呼者の所属営業所が共に取得していなければなりません。ただし、一定の条件を満たしていれば、Gマークを取得していなくてもIT点呼を行うことが可能です。
Gマークを取得していなくても実施できる条件
以下の条件を満たせば、Gマークを取得していなくてもIT点呼を実施できます。
・営業所を開設して3年が経過している
・過去3年の間に、自動車事故報告規則に掲げる事故を起こしていないこと
・過去3年の間に、点呼の違反にかかる行政処分や警告を受けていないこと
・適正化実施機関の直近の巡回指導評価が「A〜C」、点呼の項目判定が「適」であること
また、例外として、巡回指導評価がDかE、若しくは点呼の項目判定が「否」であっても、3ヶ月以内の改善報告書が提出され、改善が図られていることが確認されればIT点呼を実施することが可能になります。
IT点呼を導入するためには?
IT点呼を導入する方法について解説していきます。
導入のための準備
IT点呼を行う営業所、そしてIT点呼を受ける営業所の双方で、Gマークを取得しているか確認します。
IT点呼用機器を用意
国土交通大臣指定のIT点呼用機器を選定し発注、導入します。IT点呼を行う営業所、そしてIT点呼を受ける営業所の双方で機器を設置し、アルコール検知器による測定結果を保存できるか、目視で酒気帯びなどを確認するためのカメラが正常に作動するかを確認します。
運輸支局へ申請
運輸支局にIT点呼に係る報告書を提出します。
IT点呼のサービスを決める
さまざまなIT点呼サービスの中から、費用や機能などを考慮し決定します。IT点呼サービスは「クラウド型」ならウェブを通して行うので、ソフトをインストールする必要がありません。
必要な機器を用意
IT点呼導入に必要な機器を用意します。パソコン、プリンター、IT点呼サービスと連携するアルコール検知器などが最低限必要なものになります。
ドライバー側の準備
点呼を受ける側のドライバーも、用意しなければならないものがあります。IT点呼サービスと連携したアプリをインストールしなければなりませんが、個人のスマホで行うなら個人であることを必ず伝えるようにします。また、IT点呼サービスによって必要なもの、準備しなければならにものは異なるので、しっかりと確認しておくことが重要です。
IT点呼を導入することで、アルコールチェックも遠隔で行うことができるようになります。導入のための条件があり、導入することで得られるメリットだけでなくデメリットもあるので、それぞれをしっかりと確認し、検討してみてください。
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