アルコールチェッカーの数値の正しい見方とは|酒気帯びの基準値や注意点も解説!
アルコールチェッカーでわかる「飲酒運転」の基準
アルコールチェッカーは、息を吹きかけて呼気中のアルコール濃度を数値化する機器です。
2018年8月、福岡県で飲酒運転をしていた車に追突された車が海に落ち、追突された幼児3人が亡くなる事故が発生しました。これを受けて、飲酒運転に対して厳罰化するため、道路交通法が改正されました。
そして2022年には、企業側が運転者のアルコールチェックをすることが義務化されたのです。目視による酒気帯びの確認と、1年間の記録の保存が必須となりました。その翌年の2023年からは、検知器を使用したアルコールチェックや、検知器を常時有効に保持することが義務となりました。
アルコールチェッカーの数値の基準としては、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上になると「酒気帯び運転」の判定となり、運転ができなくなります。「飲酒をしたら運転はしない」ということを、運転者だけでなく、企業をあげて徹底すべきといえるでしょう。
違反の罰則とアルコールチェッカーの数値の見方
飲酒運転は「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類に分類されます。
0.25 mg/L以上の値のアルコール濃度が検出されると「酒酔い運転」と判定されます。酒酔い運転は25点の違反点数となり、免許取消しの重い処分が下されるのです。罰則は酒気帯び運転と同じく3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となります。
また、酒酔い運転は、運転手がアルコールの影響でまっすぐ歩けないなどのケースではほぼあてはまります。アルコールチェッカーで測定した数値が低くても、明らかに酒に酔った状態といったケースでも「酒酔い運転」と判定されるのです。
一方、呼気中のアルコール濃度が0.15㎎以上0.25㎎未満の値が検出されると「酒気帯び運転」と判定されます。酒気帯び運転は、酒酔い運転よりは罰則は軽いものですが、違反点数は13点、90日の免許停止の処分となります。
運転者以外への罰則はあるのか
飲酒運転は、運転者への厳しい罰則はもちろんのことですが「お酒を運転者に出した者」「車を運転者に使わせた者」などの、飲酒運転に関係した人物にも罰則が適用されます。
車を提供した者に対しては、酒気帯び運転では3年以下の懲役、または50万円以下の罰金で、酒酔い運転では5年以下の懲役、または100万円以下の罰金となります。運転者と同程度の罰則が適用されるため、飲酒していることがわかっている人に車を貸したり、車に乗ることを許可しないようにしましょう。
そして、酒類を提供した者や飲酒運転の車に同乗した者は、酒気帯び運転では2年以下の懲役、または30万円以下の罰金、酒酔い運転では3年以下の懲役、または50万円以下の罰金です。飲食店や、自宅などでお酒を運転者に出した人がこれにあたります。
さらに、企業において従業員が飲酒運転をしてしまった場合は、運転者に車両を提供したことになり、車両の提供者への罰則が科されるのです。企業に対しては、罰則が科されるという側面だけでなく、飲酒運転を起こしたこと自体に対して企業の社会的な評価が下がるなど、企業としての信頼が失われることも考えられます。一層の注意を払うようにしましょう。
事業者が、貸し切りバスやタクシー事業などを展開する「自動車運送事業者」であったときは、一定期間自動車の使用停止といった処分となることが多いです。最悪の場合、事業停止処分となる可能性があります。
正しいアルコールチェッカーの使い方をマスターしよう
ここからは、アルコールチェッカーの使用方法について解説します。電源を入れて起動させ、機器にしっかりと息を吹きかけるだけで検知可能です。アルコールチェッカーは、センサー部分で呼気中のアルコール濃度を検知します。正しい測定結果を得るためにも、センサー部分に十分に息を吹きかけましょう。
チェックのタイミングは、運転の直前や直後でなくても問題ありません。そのため、業務時間内には必ず検査を受けさせるようにしましょう。また、運転前のみでなく、運転後もアルコールチェッカーによる検査を行います。運転前はアルコールの影響がなくても、運転中に飲酒していなかったかを精査するためです。
アルコールチェッカーを使用する際は、対面で使用・検査するのが原則です。数値だけでなく、雇用者側がきちんと運転者を目視しましょう。そして、呼気のにおいや顔色などを直接見て、アルコールの影響が残っていないか、問題がないかどうかをチェックしましょう。
単に「アルコールチェッカーで測定した数値が低かった」というだけでは、十分なアルコールチェックができているとはいえません。従業員が遠方にいるなど、目視が難しい場合では、スマートフォンのカメラ機能などを使って運転者の状態を確認したり、電話で直接会話しましょう。正常な様子かどうかを聞き取り、必ず対面の目視と同じ水準のチェックを怠らず、省略しないようにしましょう。
アルコールチェッカーにはメンテナンスが必要
アルコールチェッカーには日々のメンテナンスが必要です。いつでも正しくアルコール濃度を検知できるよう、道路交通法において、常に有効に使用できるように点検やメンテナンスが不可欠であることが定められています。
常に行うべき日常の点検としては、電源が入るかどうか、アルコールチェッカーに傷などの損傷がないかを、使用ごとに毎回チェックしておくことです。
電源などに問題はなくても、正常に作動しないアルコールチェッカーは使えません。センサーを交換したり、センサーの交換ができない機種であれば本体ごと買い換えて、常時正しい検査ができるように備えておくことが大切です。
アルコールチェッカーの誤作動を防ぐために
アルコールチェッカーが正しく検知されているか、定期的に動作確認をしておきましょう。
動作確認の方法としては、まず酒気帯び状態ではない人がアルコールチェッカーを使用します。そして、数値がゼロになっているかを確かめて、誤作動していないかをまずチェックしましょう。そしてその後、同じ人がアルコール入りのマウスウォッシュなどで口をすすいだ後に再検査し、適正にアルコールが検出されるかを比べます。
誤作動により、アルコール濃度が正しく検知されていなければ意味がありません。日々のメンテナンスや点検は怠らないようにしましょう。
もしアルコールが検出されたら
検査して、もし0.15㎎より低い数値が出た場合は、食事などが原因の可能性もあるため、うがいをして少し時間をおいてから再検査してみましょう。再検査してもアルコールが検知される場合は、運転は取りやめます。罰則対象とならない数値未満であっても、アルコールが検知されれば運転はできません。
運転を予定していた人は、別の人に業務を交代してもらうなどの措置をして、運転は絶対にしないようにしましょう。
まとめ
今回は、アルコールチェッカーの数値の正しい見方や、酒気帯び運転の基準値、注意する点を解説しました。酒気帯び運転や酒酔い運転が厳罰化され、道路交通法によって運転可能なアルコール濃度の基準値が定められました。一般の運転者はもちろん、従業員に運転させる企業は、運転者が飲酒運転をしないように厳しく管理しなくてはなりません。呼気のアルコール濃度を簡単に測定できるアルコールチェッカーは、飲酒運転をさせないために必須の機器といえます。飲酒運転は、たった一度の違反が、企業の今後を左右する事態にもなりかねません。アルコールチェッカーを正しく使用し、飲酒運転の根絶を目指しましょう。
日本製で出荷前に全品検査。高品質長期対応センサー。協会、官公庁、企業様の採用実績50,000以上。警察の飲酒検問にも採用される品質と信頼性。
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