お酒を飲んでないのにアルコールチェッカーが反応!理由と原因は?
アルコールチェッカーは運転前に飲酒をした人を発見するために使用するものです。ですが、「飲酒をしていないのに検査で反応した」という事例が発生しています。本記事では、お酒を飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応する場合の理由と原因について説明しましょう。
飲酒以外でアルコールチェッカーが反応する理由
飲酒以外で反応する理由は、アルコールチェッカーの精度と大きく関係しています。アルコールを検知する方式としては、半導体式センサーと燃料電池(電気化学)式センサーの2種類が代表的です。
一般的に半導体式センサーは精度が低いといわれていますが、なぜなのかご存じでしょうか。それぞれのセンサーの検知の仕組みを知ることで、飲酒をしていない場合にアルコールチェッカーが反応する理由も理解できます。
半導体式センサーについて
半導体式センサーは、吹きかけた息を数百度に加熱し、息に含まれる還元性を有する成分の量によって電気の流れに変化が発生することで検査する仕組みです。
還元性というのは、酸素を奪う性質のことであり、アルコール以外にもさまざまな成分が有する性質を指します。還元性の詳しい話はさておき、ここで大切なのは、「半導体式センサーはアルコール以外の成分にも反応してしまう」という点です。さまざまな成分に反応する仕組みを採用しているので、飲酒以外で反応するのは当然といえるでしょう。
燃料電池(電気化学)式センサーについて
燃料電池式センサーは、吹きかけた息に含まれるアルコールと化学反応を起こすことによって電気の流れに変化が発生します。半導体式センサーと異なり、アルコールそのものに反応する仕組みを採用しているのです。このため、燃料電池式センサーは飲酒以外では反応しにくく、精度が高いものとなっています。
飲酒していないのに反応する理由は検知の仕組みにある
以上のとおり、飲酒以外でアルコールチェッカーが反応する理由は、センサーがアルコールを検知する仕組みにありました。半導体式センサーはアルコール以外の成分にも反応する仕組みであるため、飲酒をしていないのに反応が出るという点は理解した上で使用する必要があります。飲酒以外での反応をできるだけ抑えたい場合は、燃料電池式センサーを採用した機種を購入したほうがよいでしょう。
アルコールチェッカーが反応してしまう原因
さまざまな理由で半導体式センサーの機種を使用する場合があります。また、燃料電池式センサーであれば絶対に飲酒以外で反応しないわけでもありません。なぜなら、私たちは飲酒以外にもアルコールを摂取する機会があるためです。ここからは飲酒以外で反応してしまう原因について確認していきましょう。
飲食物による反応
アルコールチェッカーに反応しやすい飲食物としてパンが挙げられます。パンは発酵する際にアルコールを発生させるため、微量のアルコールが残っているのです。ほかには、発酵食品である味噌、納豆、キムチなどもアルコールを含む食品として挙げられます。また、ノンアルコールビールなどのアルコールを含まないと思いがちな飲料や栄養ドリンクにも微量のアルコールが含まれている場合があるのです。
うがい液などによる反応
うがい液は、口内の洗浄に用いることから一般的にアルコールが含まれています。「検査の前にうがいをして口の中をきれいにしておこう」と思ってうがい液を使用すると、それが原因で反応することがあるでしょう。また、歯磨き粉や入れ歯安定剤によっても影響が出ることがあります。
タバコによる反応
タバコの煙には1~3%の一酸化炭素が含まれているのですが、この一酸化炭素も還元性を有しています。このため、タバコを吸った後はアルコールチェッカーに反応することがあるでしょう。
ケトン体(アセトン)による反応
糖尿病の方は、病状や薬の服用によってケトン体と呼ばれる成分が増加する場合があります。このケトン体も還元性を有しているのです。糖尿病の他に食事や運動、呼吸器疾患の有無によってもケトン体の濃度に影響があります。
センサーの汚れ・劣化による反応
アルコールチェッカーのセンサーには使用回数および使用期間が定められています。これを超過すると、センサーの精度が低下して誤った反応が出ることがあるようです。
アルコールチェッカーが反応してしまったときの対処法
アルコールチェッカーが反応する原因に応じて対処法もさまざまです。以下の対処法から状況に合ったものを選択しましょう。
20分程度時間を置く
微量のアルコールやタバコの煙による反応の場合、20分程度時間を置き、反応する成分が口の中からなくなるのを待つという対応が有効です。検査の時間がわかっているのであれば、食事や歯磨き、喫煙を20分以上前に済ませることでも回避できます。
うがいをする
20分も待っていられないという場合は、流水でうがいをするというのもひとつの方法です。口の中から検査に反応する成分を洗い流しましょう。このとき、うっかり「うがい液」を使わないように注意してください。
医師に相談する
糖尿病などの持病があり、飲酒をしていないにも関わらず継続して検査で反応が出る場合は、医師の診断を受けることも考えてください。実際に、糖尿病の治療のために服用していた薬が原因で反応が出ていたという症例が報告されています。この症例では、医師に相談して薬を中止すると反応しなくなりました。
センサーのお手入れをする
アルコールチェッカーを連続して使用した場合など、使用状況によっては機械内部に検査に反応する成分が留まっていることがあります。掃除を行うなどして余計な成分を除去し、正しい状態に戻しましょう。携行型のアルコールチェッカーであれば、軽く振ることでにおいを取れるものもあります。
センサーの使用回数または使用期限を超えている場合は、センサーを交換しましょう。アルコールチェッカーを正しい状態で使用し続けるには、適切なメンテナンスが必要です。お手入れの方法は機種によって異なりますので、説明書を読んで確認してください。
以上、お酒を飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応する場合についての説明でした。最後に改めて注意すべきポイントは、アルコールチェッカーが反応する限り運転させるべきではないということです。
「本人は飲酒していないと説明しているし、誤った反応が出る場合もあるのだから運転させても問題ないだろう」と判断するようでは検査をする意味が損なわれてしまいます。正しい結果を出すためにできることはいろいろとあるでしょう。
飲酒以外の理由で反応しないように検査前のルールを決める、適切なメンテナンスを実施する、より精度の高いアルコールチェッカーを購入するなど。この機会に、アルコールチェッカーの運用について改めて確認してみてはいかがでしょうか。
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